けんこーに生きる

ある種の強さを手に入れたような錯覚に愉しさを覚えると、もっと触れたいという欲望はさらに沸き上がり、気づいたときには欲望の海で溺れていた。

そのへんに転がっている刺激物に手を伸ばせば、欲望の容器は、快楽で満たされていくが、満たせば満たすほど、それは宇宙のように膨張し続け、健全な精神性をじりじりと隅の方に追いやり、終いには奪ってしまう。

千葉の田舎で、半ば強制的に平穏な生活へと戻されると、そのアッパーな生活から引き上げられた安堵感と、反動として、文化祭が終わったときのような切なさが、だいぶ磨り減った健康的な思考に染みた。

 

健康に生きよう。切にそう思ったのだった。

2014/5/6